【沼津市】沼津市内にも自然災害伝承碑があります

沼津市大岡にある震災追弔の碑の説明
沼津市内でも過去に、さまざまな自然災害が発生してきました。東日本大震災から14年を迎える2025年2月の末に、沼津市内にある自然災害伝承碑を訪れました。今回訪れたのは、国土地理院の自然災害伝承碑データに登録されている7つの伝承碑です。地震に関するものが1件、土砂災害に関するものが2件、洪水に関するものが4件あります。以下の災害に関する記述は、当該データに基づいています。

沼津市大岡にある震災追弔の碑
震災追弔の碑(沼津市大岡)
1854年に発生した安政東海地震による被害を伝える碑です。駿河国大岡村(現・沼津市大岡南小林)の約2ヘクタールの土地が一瞬のうちに約12~15メートル陥没し、住家12戸が埋没、9名が亡くなりました。
震災追悼の碑はこちら↓

沼津市獅子浜にある七夕豪雨慰霊の碑
七夕豪雨慰霊の碑(沼津市獅子浜)
1974年に発生した通称「七夕豪雨」により、沼津市獅子浜地区の住宅裏山で土砂崩れが発生し、住宅3棟が全壊、4名が亡くなりました。
七夕豪雨慰霊の碑はこちら↓

沼津市内浦長浜にある妙法 横難死亡供養 霊塔
妙法 横難死亡供養 霊塔(沼津市内浦長浜)
1751年(寛延4年)に伊豆地方を襲った豪雨(「未の荒」)により、伊豆国長浜村(現・沼津市内浦長浜)の住本寺裏山が崩れ、堂宇をはじめ住家が流されました。住職とともに村人32名が犠牲になりました。
妙法 横難死亡供養 霊塔(日蓮宗住本寺)はこちら↓

沼津市大平にある洪水紀念表
洪水紀念表(沼津市大平字外新城)
狩野川左岸に位置する駿河国大平村(現・沼津市大平)では、1791年(寛政3年)、1859年(安政6年)、1890年(明治23年)、1907年(明治40年)に大水害が発生しました。碑はもともと狩野川の水際に建てられたもので、左右には目盛りが刻まれています。
洪水紀念表はこちら↓

部田神社にある自然災害伝承碑
昭和十三年戌寅年大洪水記念之碑・昭和十三年十六年大水害復旧記念碑・災害復興記念碑(沼津市戸田字御園尾)
この場所には3つの石碑が並んでいます。1938年(昭和13年)、1941年(昭和16年)、1958年(昭和36年)に発生した水害の被害と復旧を記念する石碑です。
3つの石碑がある部田神社はこちら↓
過去の災害を知ることの大切さ
東日本大震災では、津波による甚大な被害が発生しました。しかし、被災地には過去の被害を伝える石碑が存在していたにもかかわらず、その教訓が十分に生かされなかった地域もありました。

東日本大震災の津波で倒れた過去の地震・津波災害を伝承する石碑:宮城県名取市閖上にて2014年3月に撮影
国土地理院の自然災害伝承碑の取り組みは、2018年(平成30年)に発生した西日本豪雨の際、犠牲者が出た地域に100年以上前の水害を伝える石碑があったことがきっかけで始まったことが記載されています。

岩手県陸前高田市にある桜ライン:2023年4月撮影
私たちの経験を次世代に伝える意義
岩手県陸前高田市で活動する認定NPO法人「桜ライン311」は、東日本大震災の経験を後世に伝える取り組みを行っています。市内の津波到達地点に桜の木を植え、震災の記憶を地域の人たちが次世代に語り継ぐための取り組みを行なっています。2025年2月には、沼津市大手町にある「チャトラ『プレイス』」で写真展も開催されました。
今回訪れた場所以外にも、沼津市内には自然災害伝承碑が存在するかもしれません。この機会に、ご自身の住む地域のハザードマップを確認し、日頃の備えについて考えていただければ幸いです。
情報出典:国土地理院ウェブサイト