【沼津市】「鳥谷の火祭り」が光厳寺で執り行われました
「鳥谷の火祭り」として地域の人たちに親しまれている「正御影供(しょうみえく)、火祭り」が、2025年4月12日、沼津市鳥谷にある愛東山 光厳寺にて執り行われました。
正御影供は、高野山真言宗の開いた弘法大師様に対して「報恩謝徳」(受けた恩に感謝し、その徳に報いる)の思いを捧げる法会(ほうえ)です。光厳寺では毎年4月の20日前後の土曜日に「 柴燈護摩(さいとうごま)」が行われています。護摩の火が残る中を渡ることによって、罪を滅し、心願成就を祈るものです。
法会は14時の水行(すいぎょう)と呼ばれる、身を清める儀式から始まりました。
続いて15時からは柴燈護摩が行われ、場を整えるための儀式として、塩によるお清めや、弓を放って「結界」が張られました。
その後、境内に設けられた護摩壇に火が灯されました。大きな炎た立ち上り、参拝者が願いを記した護摩木も炊き上げられました。
炎が落ち着くと、護摩壇の中央に道が整えられ、火渡りが始まりました。法会の導師を務めた大諏訪・清玄寺の住職、そして光厳寺の住職に続き、参拝者たちも裸足になり、合掌しながら火の上を渡っていきました。
「鳥谷の火祭り」は、30年ほど前に先代住職が始めたものだそうです。これまで地域の人々のお祭りとして親しまれてきましたが、現在の五味住職は、お寺をより地域に開かれた存在にしようと、さまざまな取り組みを行っています。

火渡りを行う光厳寺の五味住職
「お年寄りから子どもまでが一堂に会する機会は少なくなっていると思います。このお祭りも30年ほど続けてきて、子どもの頃に火渡りを体験した方が、今はご自身の子どもを連れてきてくれるようになりました。地域の人たちにとって、なじみのある存在になれたことを実感しています」と五味住職は語っていました。
ソメイヨシノが咲き誇る中、お寺を舞台に、地域の人々が築いてきた絆が感じられる火祭りとなりました。
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