【沼津市】アーケード名店街で木村洋介さんのステンドグラス作品が店舗に届けられました
沼津市町方町のアーケード名店街で、2025年5月13日(火)にステンドグラス作家・木村洋介さんによる作品2点が手渡されました。贈呈されたのは、2024年秋に本格的な解体工事が始まった「沼津本通防火建築帯」をモチーフにしたステンドグラス作品で、2つの店舗に寄贈されました。
作品を受け取ったのは、「水口園」と「だいこくや」の2店舗です。いずれも、かつて沼津本通防火建築帯に入居していた店舗であり、作品には両店舗とその居住スペースから回収された「昭和型板ガラス」が使用されています。
水口園の代表取締役・水口隆太さんは、作品を見つめながら「過去の思いや、それを未来へつなげていこうという気持ちの結晶だと感じます」と話していました。
だいこくやの代表取締役・海野美保子さんは、「ステンドグラスにはカラフルなイメージがありましたが、この作品はシックな雰囲気がとても素敵ですね」と感想を述べました。

解体工事前の沼津本通防火建築帯 (2024年8月26日撮影)
作品に描かれている沼津本通防火建築帯は、1953年(昭和28年)12月に完成した建物で、店舗と住居の混在という課題を近代的な手法で解決すべく設計されました。翌年には建築学賞を受賞し、多くの沼津市民にとっても、アーケード名店街の象徴的な存在となっていました。

作品を掲げる木村洋介さん、さまざまな昭和型板ガラスが使用されています。
作品を贈呈した木村さんは「建物の解体直前にガラスをご提供いただきました。その時に見た風景や、建物が活躍していた頃の写真、そして私自身の記憶もたどりながら制作したものです。建物の細かな特徴も作品に込めました。ガラスを扱うので指を切ってしまうこともあり、大変な作業ですが、受け取ってくださった方の笑顔が何よりの喜びであり、作家冥利に尽きます」と笑顔で語りました。

木村洋介さんの個展「懐 -kai-」(画像提供:木村洋介さん)
今回贈呈された2点の作品は、2025年5月17日(土)から5月25日(日)まで、沼津市内浦三津のギャラリー兼コミュニティースペース「omusubi」で開催される木村洋介個展「懐 -kai-」にて展示されます。2作品に加え、沼津の懐かしい風景をモチーフにした他の作品も展示される予定です。
ステンドグラス作品の贈呈式が行われたアーケード名店街はこちら↓