【沼津市】「沼津影絵畳プロジェクト」が7月26日までArtspace入サ岩崎商店で開催中です

沼津畳影絵プロジェクト天然い草の畳表に日焼けを利用してドローイングを施すアートプロジェクト「沼津影絵畳プロジェクト」が、沼津市白銀町の「Artspace入サ岩崎商店」で、2025年7月26日(土)まで開催されています。

沼津畳影絵プロジェクト会場には、3枚の畳と小さな畳が展示されており、それぞれに水着やシャツなどが貼り付けられています。畳表には着色された部分も見られますが、私たちに馴染みのある黄味がかった畳の色と、やや緑がかった部分が混在しているのが分かります。この緑がかった部分こそが、天然い草の畳本来の色であり、黄味がかった部分は日焼けによって変化した色です。

沼津畳影絵プロジェクト例えば、画像手前にある畳では、水着の水玉模様が影のように焼き付けられた様子が確認できます。他の作品でも、日焼けによる色の変化が一様でなく、偶然性を含んだ自然なパターンが見て取れます。

沼津畳影絵プロジェクトこれらの作品を手がけたのは、現代美術作家の浅野ひかりさん。「和室」をテーマにした作品を多く制作しており、職人と協働しながら作品づくりを行うのが彼女の特徴です。今回のプロジェクトは、1930年創業の沼津市の畳店「稲村畳店」3代目・稲村崇さんと、会場オーナーの佐々木千彩美さんとの出会いから生まれました。浅野さんは、今回の取り組みについて次のように語っています。

沼津畳影絵プロジェクト「天然い草の畳が日焼けによって色が変わる性質を、逆手にとって表現に取り入れたのは初めての試みです。この会場は、かつて畳材料問屋だった場所。オーナーの佐々木さんに稲村畳店さんを紹介いただき、稲村さんから畳づくりを一から教わりました。ほぼ弟子入りのような形で協働制作を進めたもので、水着などの素材の中には、稲村さんご一家にご提供いただいたものもあります」

沼津畳影絵プロジェクト

7月20日に行われたクロストークショーの様子。右から浅野さん、稲村さん、佐々木さん

7月20日には、浅野さん・稲村さん・佐々木さんによるクロストークショーも開催されました。3人の出会いから始まった本プロジェクトの背景や、浅野さんが弟子入りして学んだ畳づくりの体験、千本浜で作品を日焼けさせた際のエピソード、そして畳の魅力について語られました。

沼津畳影絵プロジェクト近年、畳は「手入れが大変」といったネガティブな印象で敬遠されがちですが、実は香りによるリラックス効果や、消臭・調湿作用、そして子どもにやさしいクッション性など、多くの魅力があることが語られました。3人の畳への愛情があふれる、心温まるトークショーとなりました。

沼津畳影絵プロジェクト

千本浜で畳を日焼けさせていた際に隣で日焼けを始めたボディビルダー。浅野さんは「これもアートによる新しい人たちが出会うきっかけによるもの、この方は本日展示を観に来てくれました」

また今回の展示について浅野さんは「まずは、い草本来の色を見ていただければと思います。そして畳の魅力についても、何か感じていただけたらと思います。私は「畳」は人と人とを繋ぐ場を作るものであり、コミュニケーションを促すもの、「アート」は新しい人たちが出会うきっかけになると信じています。これからも畳という素材にさまざまなアプローチを模索し、職人さんとの協働制作も続けていきたいです」と語っていました。

展覧会への入場は無料、開場時間は10:00〜16:00です。

Artspace入サ岩崎商店はこちら↓

号外NETの広告出稿はこちら

号外NETメルマガ

号外netは持続可能な開発目標(SDGs)を支援します

号外netへの提供提供求む!