【沼津市】(都)沼津南一色線 橋梁工事の着工式が執り行われました
沼津市が進める都市計画道路「沼津南一色線(以下、(都)沼津南一色線)」の橋梁架設工事着工式が、2025年7月24日(木)、沼津市東熊堂の現地で執り行われました。
(都)沼津南一色線は、東名高速道路・新東名高速道路と国道1号線、JR沼津駅を結ぶ南北交通の要となる幹線道路で、沼津市の都市構造において極めて重要な役割を担う路線です。
建設予定地にある東熊堂には高尾山古墳があります。高尾山古墳は、道路建設に伴う発掘調査から、古墳時代初期に築かれた列島東部最古級かつ最大級の前方後方墳であることが明らかになりました。その歴史的価値の高さが認められ、2024年10月には国史跡に指定されています。地域の慢性的な渋滞の早期解消を望む声と、歴史的価値の高い古墳の保存を望む声が上がり、さまざまな議論などを経て本事業は、計画道路と遺跡の保存を両立させる全国的にも稀有な取り組みとなったことで、大きな注目を集めています。
具体的には、当初は平面4車線で計画されていた道路は、東側2車線を橋梁形式、西側2車線をトンネル形式に変更されました。そのうえで「道路と古墳を含む周辺までを一体的な空間として設計し、質の高い意匠等を施すことで、良好な景観の形成を図る」という目標が掲げられています。
式典で主催者として挨拶した頼重秀一沼津市長は、着工までに15年を要した経緯に触れ、関係者や地域住民の理解と協力への感謝を表明しました。そのうえで、「1800年前の土木技術者と現代の日本の技術者のコラボレーションが、いま実現しようとしています」と語り、この事業が持つ歴史的・技術的意義の大きさを強調しました。
着工式のクライマックスとなる鍬入れ式は、高尾山古墳を背に行われ、来賓による鍬入れの際には、参列者から拍手が送られました。
今回着工する橋梁工事(基礎工事)では、直径2メートルの杭を計45本打ち込む予定で、契約工期は2026年7月25日までとなっています。
高尾山古墳はこちら↓