【沼津市】「桜の蛇松緑道ウォーク」で学んだ沼津と鉄道の歴史
ぬまづ観光ボランティアガイドによる「桜の蛇松緑道ウォーク」が、2025年3月30日(日)に沼津市内の蛇松緑道を中心に開催されました。かつて蒸気機関車が走っていた頃の沼津を探るウォーキングイベントに、多くの参加者が集まりました。
ウォーキングの出発点は沼津駅北口の広場でした。数人ずつのグループができると、ぬまづ観光ボランティアガイドの案内のもと、ゴール地点である狩野川堤を目指しました。
沼津駅北口から東へ進んだ場所には、沼津機関区跡のモニュメントがあります。沼津機関区は、東海道鉄道建設の拠点の一つとして明治19年(1886年)に「沼津機関庫」として設置されました。翌年には静岡県内初の鉄道となる蛇松線が開業し、時代ごとの鉄道輸送を支えてきました。モニュメントの足元にはレールが埋め込まれています。
次に訪れた高沢公園には、蒸気機関車「D52」がシンボルとして展示されています。このD52136は昭和19年(1944年)に製造され、第2次世界大戦中に東海道を走っていました。東海道線の電化後は北海道で旅客・貨物列車の牽引に使用され、昭和48年(1973年)に高沢公園に移設されました。
のぼり道ガードで東海道線の線路をくぐると、コースは蛇松緑道へと進みます。蛇松緑道は、かつて国鉄沼津港線が走っていた跡地で、昭和49年(1974年)の鉄道廃止後に緑道として整備されました。敷地内には約120種類、14,000本の植栽木があり、四季を通じてウォーキングが楽しめます。
また、ガイドの説明では「工」と刻まれた小さな石柱が紹介されました。これは「工部省」という、明治時代に鉄道などの殖産興業政策を担った中央官庁を示すもので、その敷地の境界を示すものだそうです。この場所には緑道の両側に「工」の石柱が残されていました。

狩野川では我入道の渡し船が運航していました。
ゴール地点は、港大橋付近の狩野川堤でした。この近くにはかつて「蛇松」と呼ばれる松の木が生えていましたが、現在はその痕跡は残っていません。また、ここからは沼津アルプスの山々とともに、富士山や箱根山といった新旧の火山を同時に眺めることができる、貴重な景観が広がっていました。
多くの参加者が「沼津に住んでいても知らなかった」という歴史を分かりやすく解説してくれるぬまづ観光ボランティアの皆さんと一緒に、沼津のまちと鉄道の歴史を学びながら歩く、充実したイベントとなりました。
ぬまづ観光ボランティアガイド様、情報提供いただきありがとうございます。
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